セミ耐久で行われるようになって今年で4年目を迎えるSUGOラウンド。120マイル(約194km)、52周という長丁場のレースとなる。今シーズンは、JSB1000クラスの開幕戦となった鈴鹿ラウンドも200kmのセミ耐久で行われており、第4戦オートポリスが熊本地震で中止になったこともあり、3戦中2戦がセミ耐久というシーズン前半戦となっている。今年もライダーは、1人でも2人でもOKだが、トップチームは、ほとんど1人で走る体制で臨んでいる。 事前テストから不安定な天気となり、ドライコンディションでの走行が少ないまま公式予選を迎えていた。SUGOは、昨年アスファルトの張り替えがあり、当初はグリップの高い路面となっていた。実際、中須賀は、昨年の決勝でコースレコードとなる1分27秒200をマークし、事前テストでは非公式ながら1分26秒台で周回するほどだった。今年は路面グリップが落ちており、タイムも下がってきていたが、中須賀は、事前テストから、現在の路面コンディションに合わせたセットアップを進めてきた。予選でも序盤は、決勝を見据えた確認を行い、セッション終盤にアタック。ただ一人、1分26秒台に入れ、自らのコースレコードを更新しポールポジションを獲得した。 「予選は、予定通り決勝に向けたセットアップを行いながら、最後にアタックをしました。チームのおかげで、いいマシンになってきていますし、後はレースを待つのみです。ル・マン式スタートは、ここのところ出遅れることが多いですが長丁場のレースなので、序盤は周りのペースを見ながら落ち着いてレースメイクして行きたいですね」と中須賀。 2番手には、ようやくニューマシンが仕上がってきたTeam GREENの渡辺一樹が1分27秒258という好タイムで続いた。 「マシンが新型になって、やっとベースセットが決まり、自分のセッティングに踏み込んできたところです。レースは長いですし、バックマーカーのかわし方がレースの行方を左右するかもしれないので、しっかり対処して行きたいですね。マシンは、今シーズン一番いい状態なので、ベストリザルトを残したいですね」と渡辺。 フロントロウ最後の3番手には、ヨシムラの津田拓也がセッション序盤に出した1分27秒519で食い込んだ。 「事前テストから天気がよくなかったのですが、その中で常に決勝を見据えてマシンを仕上げてきました。予選でも、どうしても試しておきたい課題があったので、終盤にタイムアタックはできなかったのですが、いい方向に進みましたし、結果的に3番手だったので悪くはないです。マシンはうまくまとまってきているので、序盤はしっかりトップグループにいたいですね」と津田。 4番手の柳川明、5番手の野左根航汰も1分27秒台に入れており、トップグループに加わって来そうだ。柳川は、予選で大きく変えたセッティングがいい方向に進んだと語っていたが、セミ耐久となった、ここ3年は完走できていないだけに、しっかりチェッカーフラッグを受けたいところだ。野左根は、予選セッション終盤にSPインコーナーで転倒。マシンは大きなダメージを負ってしまい、スペアマシンで決勝に臨むことになると言う。決勝日朝のウォームアップ走行で、いいフィーリングになれば上位に食い込んできそうだ。また、Honda勢最上位となる6番手には、TOHO Racingの山口辰也が1分28秒051で入っている。ただ、金曜日からマシンに問題を抱えており、スタッフは、夜中まで作業し、考え得るパーツを交換したが、予選で完全に直っていなかったと言う。問題が解決できればトップ争いに加わってくる可能性はあるだろう。 7番手の高橋巧は、今シーズンより変更した足回りが、うまく決まらず苦悩のレースが続いている。8番手の加賀山就臣、9番手の中冨伸一もマシンセットがもう一歩決まらない状態だ。 ル・マン式スタート、ピットインしタイヤ交換とガスチャージを行うセミ耐久で争われるだけにライダーの速さだけではなく、チームの総合力も問われる。SUGOスーパーバイク120miles耐久レースを制するのはゼッケン1か!? それとも番狂わせはあるのか!?