JECを通した規則で、1周目はタイム計測をおこなわない下見がおこなわれる。2周目、テストでは全開のタイムアタックが開始され、エキゾーストノートで騒がしくなった頃、ひときわスロットルを開けていたのは、やはり釘村忠(ハスクバーナ)だった。4周目時点で、途中経過が会場に掲載。釘村忠はこの時点で2位の鈴木健二(ヤマハ)に大差を付ける。3番手は内山裕太郎(ヤマハ)。驚きは総合の4番手、なんとIBクラスの前橋孝洋(ハスクバーナ)がこの位置のタイムを計測、クラス内のライバル西森裕一(ヤマハ)に1テストも譲らず1番時計を連発する。IAクラス内の4番手は太田真成(KTM)である。ドライコンディションのテージャスランチは、後半もその表情を変えず、淡々とライダー達を迎え入れる。6周、最後のテストを終えるとレースは大団円へ。1位釘村は変わらず、2位鈴木に47秒差。3位にはステディに上位へランクインする内山、4位は太田が入った。太田は序盤のテストで「バックマーカーを抜くのにかなり手間取ってしまいました。大きなミスもしていないのでたぶん、それが原因でしょう」と。最後のクロステストはなんと1番時計、かつレース全体でのベストラップというすばらしいリザルト。「一番時計出せてるから、まぁ満足としましょう」と太田。
優勝した釘村は「前半はなんか体が動かなくて、ミスもおおかったですね。大きなモノではないんですが、チェンジミスしたり、エンストしたり。だから今日は健二(鈴木)さんには負けたと思ってばかりいたんですが、中間結果をみたら1位でした。後半はそこそこよかったかな。今回は、次回への課題もしっかりみつけることができたので、もう少しタイムをつめられるハズ」とさらなる飛躍を公言。釘村はMVアグスタジャパン(ハスクバーナ正規ディストリビューター)の広報なのだが「仕事もあるので、バイクに乗り込めているわけではもちろんないです。ただ、仕事上バイクに触れていられる時間も多いし、会社の脇でヒマをみつけて8の字を書いたりしてますね」とのこと。釘村にしてやられた鈴木は「忠(釘村)のようなライダーが出てきてくれてすごくウレシイですね、去年の日高に出てたときよりも忠はだいぶ速くなっていると思う。ハスクバーナがこの位置で頑張ってもらえると、メーカーも出そろってきた感じがありますしね。僕なんかよりも、若い連中と切磋琢磨してほしいな、と。学(渡辺)にもぜひ、でてもらいたいと思ってます。今日は、ちょっと腿を負傷してしまって痛かったんですが、全力は出しきった感じです。」と話す。内山は「テストは両方とも攻め込んで走れましたし、ミスらしいミスも無かった。そういう意味ではよかったと思いますね。ただ、エンデューロしかやってこなかったライダーとしては、上二人にも負けていてはいけないので、もうちょっと頑張ります」と。