J-GP3クラスのレース2も厳しい暑さの中でのレースとなった。ホールショットはポールポジションの古市右京が奪い、埜口遥希、小室旭、菅原陸、中島元気、太田虎之進と続くが、その直後につけていた岡崎静夏が立ち上がりでハイサイド転倒。高杉奈緒子、野澤秀典、長谷川聖が絡む多重クラッシュとなり赤旗が提示される。 赤旗中断後クイックスタート方式にて再開、周回数は13周に減算された。野澤と長谷川レース続行できたが、岡崎と高杉はリタイアとなった。 仕切り直しの再スタート、ホールショットを奪ったのは古市。小室、埜口の順に1コーナーに進入するが2コーナーで小室のインから埜口が前に出る。埜口は第2ヘアピンで古市のインに飛び込みトップに浮上、しかしバックストレートで古市が抜き返す。オープニングラップから激しいトップ争いが始まった。オープニングラップは、古市が制し、埜口、太田虎之進、小室、中島、岡谷雄太、菅原、そして今回最大の話題を集めていた2度の世界チャンピオン坂田和人と続いていた。 レース序盤のトップ争いは、古市と埜口の一騎打ちとなる。2周目の第1ヘアピンで埜口が古市をパスしてトップに立つがストレートが伸びるKTMはバックストレートで埜口を抜き返す。3周目の2コーナー立ち上がりで埜口が前に出るが4周目のバックストレートで古市は再び埜口をパスしてトップに浮上する。 この一進一退するトップ争いに背後から迫ってきたのが岡谷。予選16番グリッドからオープニングラップで6番手にジャンプアップ。3周目のバックストレートで小室と太田をかわして3番手につける。太田は4周目の1コーナーで転倒を喫し、そのままリタイアとなってしまう。 トップ争いは古市、埜口、岡谷の3台となる。その後方では、中島、坂田、菅原、小室による4位争いが展開される。今大会、大注目となった坂田は予選13番グリッドからスタートして5番手にまで順位を上げてきた。 レース折り返しを過ぎた7周目、1コーナーで岡谷が仕掛ける。埜口と古市の2台を抜いて一気にトップに浮上。この3台によるトップ争いはテールtoノーズの超接近戦となり、緊迫した三つ巴のバトルがレース終盤まで続く。そして迎えたファイナルラップ。第1ヘアピンで埜口が岡谷のインを突いてトップ浮上、しかしその先の第2ヘアピンで今度は岡谷が埜口のインを突いてトップを奪い返す。そしてバックストレートを3ワイドで通過、埜口が前で最終コーナーに進入するが、わずかに膨らんだ埜口のインを突いた岡谷がコンパクトなラインで立ち上がりそのままチェッカー! 今季3勝目を飾った。埜口は悔しい2位。岡谷と埜口の差は0.000秒と表示された。3位に古市が入る。 中島、菅原、坂田、小室による激しい4位争いは、11周目に小室をかわして鈴木光来が加わる。最終ラップの1コーナーでは、菅原が転倒してしまい脱落。中島が4位争いを制し、坂田が5位でゴール。鈴木が6位、小室が7位で決着する。以下、8位長谷川聖、9位山本恭裕、10位宇井陽一の上位10位であった。
優勝 #61 岡谷 雄太 MORIWAKI CLUB 「レースウィーク中ずっとリアサスの調子が悪く、予選でそれを変えたつもりが裏目に出てしまい反応する間もなくハイサイド転倒してしまいました。タイムも出ていなかったしバイクも壊してしまったのでレース1は厳しい状態で臨みました。チームとメカニックがしっかりとバイクを直してくれたおかげでレース2では100%のチカラを出し切って闘うことができました。スタートは失敗してしまいましたが赤旗後のスタートは決められ、1コーナー、第1ヘアピンをクリアできました。16番グリッドからのスタートでしたが自分のペースは上がっていたので追いつくことはできると思っていました。最後は埜口選手と一対一になると思っていましたが冷静に攻略できてよかったです。最終コーナーに入った瞬間に判断できたのが勝因だと思います」