全日本ロードレース選手権は、シリーズ第3戦を大分県・オートポリスで迎え、今回もスーパーフォーミュラとの2&4レースとなる。開幕戦、第2戦と2レース制で行われてきたJSB1000クラスだが、今回は日曜日に1レースのみの開催となる。 金曜日、土曜日と快晴に恵まれ、各ライダーは、マシンをセットアップ。初日は、カワサキのエースとなって2年目となる渡辺一馬が1分48秒201でトップタイム。ここまで開幕4連勝中の中須賀克行は、1分48秒335で2番手、3番手にカワサキ時代の2014年にマークした1分47秒657というコースレコードホルダーであり、ヨシムラで初めてオートポリスを走る渡辺一樹が1分48秒788で続き、上位3名が1分48秒台をマークしていた。 土曜日も快晴となり、午後に行われた公式予選が始まるころの路面温度は48度だった。今回の予選セッションは、今シーズン初めてノックアウト方式となり、まず45分間のQ1が行われた。ここで速さを見せたのは、中須賀だった。計測5周目に1分48秒034をマークし、このタイムを破る者は現れずQ1をトップで通過。2番手に野左根航汰が1分48秒703で続き、ヤマハファクトリーが1-2。3番手に渡辺一馬、4番手に津田拓也、5番手に高橋巧、6番手に渡辺一樹、7番手に松附詩ニ、8番手に秋吉耕佑、9番手に高橋裕紀、10番手に水野涼というトップ10がQ2に進出した。 15分間で行われたQ2。徐々に路面温度は下がる方向だったが、それでも43度というコンディション。まずは、10名のライダーがピットアウトしコースに入る。中須賀は、コースの状況を確かめるとピットに戻りタイヤを交換。再びコースに戻ると計測ラップに入って行く。ここで1分46秒909という、これまでのコースレコードを大幅に更新する驚異的なタイムがマークされる。「この1周は、とにかく集中しましたね。その後の2周は、もうタイムが落ちていく一方でしたけれど、最初の1周は、決まったと思いましたね。まさか46秒9まで行くとは思いませんでしたね」と中須賀本人も驚きのタイムだった。その後もタイムが落ちたとはいえ、1分47秒台を記録している。2番手の渡辺一樹が1分48秒249だったことを考えれば、いかに中須賀のタイムが抜きん出ているかが分かるだろう。 渡辺一樹、津田拓也とヨシムラ勢が続きフロントロウ。渡辺一樹は、ヨシムラで3レース目だが、ここオートポリスはカワサキ時代に走り込んだコースだけに、うまくマシンをまとめてきた。一方、津田は、今シーズン変更した部分を、まだ生かし切れていないと語るが、そこがいい方向にまとまれば、中須賀に近づいていけるはずだ。 4番手の野左根は「今の実力だと思います。中須賀選手に少しでも近づこうと努力している最中ですが、そう簡単には行きませんね。ただ、チームとして、いい結果を残せるように全力を尽くします」とコメント。5番手には、初日トップタイムをマーク。カワサキのホームコースで期待がかかる渡辺一馬がつけた。「スーパーフォーミュラのタイヤラバーの影響か、風の影響か、前日とはフィーリングが変わってしまい、思うように攻めることができませんでした。ただ、対策はできているのでレースは大丈夫だと思います」と、こちらも決勝に向けては自信のコメント。2列目最後となる6番手には、10年振りに復活したHondaワークス、Team HRCを引っ張る高橋巧がつけたが、初日からオートポリスは苦戦模様だ。 「全く気持ちよく走ることができていません。予選でも違うタイヤ、セットを試してみましたが、ドライでは、全くいい方向が見えてきていません。決勝は、雨予報なので、まだレインコンディションの方がいい結果を出せる自信はありますね」とドライよりもレインを望んでいる。 日曜日の天気予報は、雨となっており、その雨量によってもレース展開は変わってきそうだ。雨を得意としている秋吉耕佑、加賀山就臣、星野知也なども上位に進出してくる可能性もありそうだ。決勝日朝のウォームアップ走行の順位に注目しよう。