わずか届かず 野崎史高は2位表彰台
渋滞対策やSSを組み込むスケジュールの関係で、IAクラスはAとB、二つのグループに分けられ、BグループはIASに先立って、AグループはIASのあとからスタートした。 セクションはやはり簡単めで、1ラップ目にトップの氏川政哉(ガスガス)の減点はたったの3点だった。2位の永久保恭平(ベータ)は12点だから、独走といってもいい。 ところが2ラップ目、氏川に悪夢の5点が連発する。第6セクション、第8セクション、最終第13セクションと、高低差の大きなセクションで次々に5点。他には減点がないのだが、その辰の5点で、2ラップ目の減点はなんと15点にもなった。 反対に永久保は、2ラップ目を手堅くまとめて、ラップ減点は4点。トータルでは、僅か2点さながら、永久保が氏川を逆転して今シーズン初勝利ということになった。 【永久保恭平のコメント】 優勝は、去年のここで勝った以来ですから、ちょうど1年ぶりになります。1ラップ目は氏川選手との点差が大きかったので、勝ち目はないかなと思っていたのですが、2ラップ目に調子がよくて、そしたら氏川選手がミスをして減点を重ねていたので、それで勝てました。勝てる自信がなかったのですが、勝ててよかったです。
優勝した磯谷郁(中央) 2位山中(左)3位和田(右)
10代の選手の台頭が著しい2017年の全日本選手権国際B級。今回も若いライダーが大活躍だった。 1ラップ目のトップは、80年代のトップライダー和田弘行(ガスガス)。近畿大会に続く、今シーズン2度目の挑戦だが、セクションがやさしいから勝利はむずかしいのではないかということばとは裏腹、ランキングトップの山中悟史(ホンダ)と3点で同点のラップトップだった。 ところが2ラップ目、和田は5点一つ、3点一つ、1点3つで一気に減点を増やしてしまった。その間に、2ラップ目2点で一気にトップに出てきたのが、フルシーズン参戦2年目の磯谷郁(ベータ)だった。磯谷は、IASの磯谷玲の弟で、まだ中学生。5点が一つもないという戦いっぷりで、全日本選手権初優勝を得た。 山中は2位で、ランキングトップは安泰。最終戦では13位に入ればチャンピオンが決まる計算だ。 【磯谷郁のコメント】 1ラップ目、トップと4点差があったので、これは優勝は無理かなと思ったんですが、1ラップ目が3点だったので、2ラップ目も3点でまとめようと思って走りました。そしたら和田さんがミスをしていて、初優勝することができて、よかったです。
チャピオンの西村(中央) 2位小玉(左)、3位小谷(右)
前回北海道でチャンピオンを決めている西村亜弥(ベータ)は、残り2戦、全勝優勝とより完璧な走りを目指して戦いの舞台に出る。今回は常連4名に加えて、久々の佐々木淳子(ベータ)、さらに初出場の山中玲美(ホンダ)、宮本美奈(ホンダ)の2名が加わり、レディースクラス最多の7名での戦いでにぎわった。 西村は自己評価ではいまひとつの走りだったようだが、1ラップ目、2ラップ目ともに、2位に5点以上の点差をつけて圧勝。このシリーズに参戦して以来の連勝記録を伸ばしている。 2位争いは、小玉絵里加(ホンダ)と小谷芙佐子(ヤマハ)の一騎打ち。シーズン前半には小谷が3戦連続2位に入ったが、今回で小玉が3戦連続2位となり、シリーズポイントはまったく同点に。勝負は最終戦に持ち越されることになった。 4位争いは接戦だった。ルーキーの山中と宮本が1ラップ目、2ラップ目にそれぞれラップ4位となって気を吐き、ずっと出場を続けている寺田智恵子(シェルコ)は1ラップ目に5位となるなど、それぞれ意義のある戦いを演じた。 レディースクラスの注目度も増している。さらに多くの参加者でにぎわってほしい。 【西村亜弥のコメント】 下見をしたときにはむずかしいと思ったんですが、お天気がよくて乾いたので、オールクリーンができる神経戦になりました。他のみんなもがんばってて、でもバックで5点を取られちゃうし、今日はなさけない戦いっぷりになってしまいました。最終戦、しっかり戦ってシーズンを終えたいです。