前戦の岡山ラウンドで最終戦を待たずに水野涼がシリーズチャンピオンを決めたJ-GP2クラス。公式予選では、榎戸育寛が高橋裕紀の持つコースレコードに迫る2分09秒台を、ただ一人マークしポールポジションを獲得。決勝も榎戸がリードする展開になると思われた。2番手には、昨年の最終戦鈴鹿でポールtoフィニッシュを飾っている関口太郎が2分10秒台で着け、今シーズン初優勝を狙っていた。新チャンピオンの水野は2分11秒台前半で3番手、石塚健、岩蕪N朗、作本輝介、岩戸亮介、生形秀之と2分11秒台で続いていた。 今年も15周で争われた決勝レース。昨年同様に関口がホールショットを奪い、榎戸、石塚、岩戸、岩普A水野、生形、作本、三原壮紫、ケミン・クボ、柴田陸樹、中本翔、大木崇行と続いて行く。1コーナーから2コーナーでは、アウトから岩戸が石塚をかわして3番手に浮上。その直後のダンロップコーナーでは、関口がハイサイド気味になり失速。このすきに榎戸がトップに浮上。デグナーカーブ進入では、岩戸がはらんでしまいポジションダウン。岩浮ェ3番手に浮上し、水野がスプーンカーブ進入で並びかけるが、岩浮熄らない。これに岩戸、作本のTeam熾瑞ィが続きバックストレートに入って行く。混沌としたオープニングラップは、榎戸が制し、関口、水野、岩戸、岩普A生形、作本、石塚と続いて行く。2周目の逆バンクからダンロップコーナーへの切り返しでは、関口が榎戸をかわしトップに立つが、バックストレートで榎戸が抜き返し、レースをリードして行く。関口、水野、岩戸が続き、トップグループを形成。さらに作本も追い付き5台にふくれ上がる。このレースウイークでほとんどのセッションをリードしてきた榎戸は、これを見てペースアップ。これを追いたい関口だったが、逆にバックストレートで水野と作本にかわされてしまい4番手にポジションを落としてしまう。さらに4周目のホームストレートでは作本が関口をパスして行く。S字コーナー進入では、水野が岩戸をかわして2番手に浮上。明らかにストレートの伸びが厳しい関口だったが、テクニカルな東コースでポジションを挽回。作本と岩戸をかわし3番手に浮上する。その後方からは、石塚がペースを上げ6番手に上がってくる。 トップを走る榎戸は、明らかにイニシアチブを握っていた。6周目には、このレースのファステストラップとなる2分10秒330をマークし、2番手以下を引き離しにかかる。さらにペースを上げて行くが、7周目の130Rでアクセルを開けて行くところでフロントが切れ込んでしまう。必死に立て直そうとするがハイスピードでクラッシュ。榎戸は、悔しいリタイアとなってしまうが、大きなケガがなかったのは不幸中の幸いだった。 榎戸の転倒で、かわってトップに立ったのは、関口だった。水野、作本が続き3台がトップグループを形成。やや間隔を空けて石塚と岩戸が続く。9周目のシケインでは、水野が関口に仕掛けるがクロスラインで抜くことはできない。逆に10周目に入るホームストレートで作本にかわされ3番手に後退。その背後には、2分10秒台で追い上げて来た石塚が迫り、トップグループは4台となる。そしてレース終盤を迎える13周目のホームストレートで石塚が水野をかわし3番手に浮上。水野もシケインのブレーキングで抜き返すが、切り返しでフロントからスリップダウン。すぐに再スタートするものの15番手までポジションを落としてしまう。トップを走る関口は、ここで一気にスパート。14周目に自己ベストをマークし、作本も必死について行くが、石塚はついて行けない。 そして、関口が作本に約0.5秒差をつけファイナルラップに突入。一時は勝負あったかと思われたが、作本は最後まであきらめなかった。西コースに入ると、その差は縮まり、スプーンカーブで関口の背後にピタリとつけた作本は、バックストレートで前に出て行く。シケインで抜き返したい関口だったが、作本がインをしっかり締めトップでチェッカー。今シーズンは、開幕戦筑波の事前テストで負傷し、岡山でようやく戻って来た。復帰2戦目で、うれしいシーズン初優勝を飾った。今回こそ勝ちたかった関口は、悔しい2位。3位に石塚が入り表彰台に上がった。 4位に岩戸、5位に生形、6位に三原、7位にケミン、8位に岩普A9位に柴田、10位にラストラップの130Rで大木をかわした徳留真紀と続いた。水野は15位でゴールし、9ポイントを加算。154ポイントで2017年シーズンを終えた。関口は、2年連続ランキング2位。以下3位が生形、4位岩戸、5位柴田、6位榎戸、7位石塚、8位徳留、9位岩普A10位にケミンとなった。