8月に入り天気がよくない関東地方。このレースウイークの天気予報も雨マークが消えないままだった。初日となった金曜日は、1本目はドライ、2本目はウエットというコンディションとなったが、この両セッションでトップタイムをマークしたのが野左根航汰だった。中須賀克行は、2番手につけていたが、鈴鹿8耐で使用した16.5インチタイヤから17インチタイヤへの乗り換えに違和感を感じていた。
ノックアウト方式で行われた公式予選では、野左根がポールポジションを獲得したが、タイムでは、Q1に中須賀が記録したものが最速であり、決勝は、チームメイト同士の一騎打ちとなる可能性が高かった。
23周で争われた決勝レース。雲に覆われていたものの天気は何とかもち、高湿度の蒸し暑いコンディションで行われた。好スタートを見せたのは、フロントロウイン側3番手グリッドの津田拓也だったが、1コーナーで突っ込み過ぎてしまい、はらんだところをイン側から中須賀克行と野左根航汰が前に出て行く。以下、高橋裕紀、高橋巧、渡辺一馬、藤田拓哉、山口辰也、酒井大作、加賀山就臣の順で2コーナーを立ち上がって行く。3コーナーで野左根が中須賀をアウトからかわしトップに浮上。しかし、すかさずV字コーナーで中須賀が野左根のインを突きトップの座を奪い返す。オープニングラップは、中須賀が制し、野左根、津田、高橋裕紀、渡辺、高橋巧、藤田と続いて行く。この直後、7番手を走っていた藤田がV字コーナーで転倒。再スタートするものの、大きく順位を落としてしまう。90度コーナーでは、野左根が中須賀のインをつき前に出るが、クロスラインを取った中須賀が前に出て行く。3周目の1コーナーでも野左根がインを突くが中須賀が2コーナーで前というパターンが続く。ヤマハファクトリーの2台は、バトルをしながらもハイペースで周回。これを必死に追っていた津田だったが、6周目の90度コーナーでオーバーラン。6番手にポジションを落としてしまう。
これでトップ争いは完全に中須賀と野左根のヤマハファクトリー同士の一騎打ちとなる。中須賀がレースを引っ張り、野左根が、隙あらば前に出ようとプレッシャーをかける。16周目には、再びV字コーナー、ヘアピン、90度コーナーでクロスラインになるなど、接近戦が続いていた。そしてレース終盤を迎え、中須賀がペースを上げると、やや野左根が離されるが、19周目に野左根はファステストラップを記録し、中須賀の背後に迫る。これを見た中須賀は、さらにプッシュし、勝負あったかと思われた。しかし21周目のV字コーナーでフロントから中須賀が、まさかの転倒。グラベルから脱出するのに時間がかかったが再スタートするものの、そのままピットに戻りマシンを降りてしまう。これでトップ独走となった野左根は、23周を走り切りチェッカ−。第4戦に続き、ツインリンクもてぎで2勝目を飾った。その後方では、コースアウトから追い上げた津田が渡辺、高橋裕紀をかわし4番手に浮上。さらに高橋巧の背後につけると19周目の3コーナーから4コーナーで前に出て行く。中須賀の転倒もあり、ポジションを一つ上げた津田が2位でゴール。高橋巧が3位でゴールした。以下、高橋裕紀、渡辺、山口、清成龍一、濱原颯道、松附詩ニ、浦本修充というトップ10だった。 |