全日本ロードレース選手権第5戦「KYUSHU MOTORCYCLEFESTA 2017」が大分県:オートポリスで開催された。土曜日の公式予選が雨と濃霧のため中止となったため、決勝日の朝に25分間で公式予選が行われた。このセッションがレースウイークで初めてのウエットコンディションでの走行となった。
予選開始から5分、早々に小室旭がリーダーボードのトップに立つ。伊達悠太、古市右京と続いてランキング上位3名が名を連ねる。そこに割って入ってきたのがベテラン宇井陽一とYouthカップの長谷川聖。しかし小室は序盤から2番手に5秒近い大差をつけてトップの座を譲らない。さらに小室は残り5分を切ったところで2分08秒929と、ただ一人の2分08秒台に入れてポールポジションを獲得した。チェッカー提示10秒を切ったところで宇井が2番手に浮上、タイムは2分10秒480。3番手は最後にタイムを出した長谷川、4番手中島元気、5番手古市、6番手伊達、7番手佐野勝人、8番手山本泰裕、9番手安村武志、10番手福嶋佑斗と続いた。
公式予選終了から2時間後、J-GP3クラスの決勝を迎えた。路面は、ところどころウエットパッチが残るものの、ほぼドライコンディション。全車スリックタイヤを装着してのスタートとなった。
ホールショットはポールシッターの小室が奪い、宇井、5番グリッドの古市が3番手で第1コーナーに進入する。オープニングラップは、小室、宇井、古市、長谷川、中島、安村、佐野、伊達、岡崎静夏、福嶋の上位10台。
レース序盤、小室、宇井、古市、長谷川、この4台が抜き出て先頭争いを展開する。2周目、3周目のトップは宇井、4周目、5周目のトップは小室、6周目は長谷川、そして7周目、8周目のトップが再び宇井、とほぼ毎周のようにトップはもちろん、コーナー毎に4台の順位が入れ替わる激しい接近戦が展開される。序盤の先頭集団をかき回したのが長谷川。4周目には他の3台が2分2秒台3から3秒台のところ2分01秒956と一人だけ1秒台。古市、小室をかわして6周目にトップに立つ。
しかし、トップグループの4台がバトルをしている間に後方から忍び寄ってきたのが伊達と佐野。3周目には先頭集団と伊達の差は3秒841あったが、6周目には2秒948、8周目には0秒457と完全にひとつのパックとなる。そして9周目、ついに伊達は第1ヘアピンで、かなりのインベタラインから長谷川と小室をパスして3番手に浮上、ジェットコースターストレートでから先の上り勾配で小室をパス、ついにトップに浮上する。
この先頭集団に中島と安村が加わり先頭集団は8台がひしめく大混戦となる。10周目、伊達が2番手の古市を引き離しにかかり0秒778差に広げる。これに遅れまいと小室がスパート。10周目に2分00秒242のファステストラップをたたき出してで古市をパス、伊達の背後につけると、この2台が抜け出し始める。
レースも残り2周、第1コーナーで小室が伊達をかわしてトップ浮上、しかし、伊達は特有のインベタラインから第1ヘアピンで小室のインに飛び込む。あわや接触かと思われたが伊達が前に出る。
そして迎えたファイナルラップ。またもや小室が伊達を第1コーナーでかわすと第1ヘアピンも小室がインを閉めてトップを守る。その後、第2ヘアピンへのブレーキングで伊達が前に出ると、続くジェットコースターストレートでは、小室が前に出て行くが、右高速コーナー立ち上がりで2人のラインが交錯。接触しかかるが伊達が前に出てそのままトップチェッカー、今季2勝目を挙げる。2位には悔しい小室、3位には佐野が入った。以下、古市、長谷川、中島、安村、宇井、太田虎之進、高杉奈緒子の上位10台であった。 |