JAPAN ENDURO CHAMPIONSHIP 2015
MFJ全日本エンデューロ選手権 第1戦 広島大会
2015年5月10日 広島県テージャスランチ特設会場
REPORT : JEC PROMOTIONS
昨年10周年を迎えたこのシリーズ。年々参加者のレベルアップも著しいが、特に、IBクラスは、若手を中心としたナショナルクラスからの昇格組に加え、全日本モトクロス選手権をフォローするモトクロスIAライダーの参入も多く、一番の激戦区となっている。今回は、昨年は怪我でシーズンのほとんどを欠場していた前橋孝洋(MCオープンエリア)、また昨年からJECに参戦を開始してナショナルからトップ昇格した、クロスカントリー(耐久)レーサーの真田治(YSP富山&札幌高見道)、地元、ハードエンデューロ系を得意とする熊本悠太(バイカーズベアCFC)といった顔ぶれに、MXライダーは荒川一佳(FFMC岡山)、メジャーなクロスカントリーシリーズでも常にトップの一角を占め、全日本MXにも参戦する小林雅裕、村上洸太(Honda緑陽会熊本レーシング)、勝野善太郎(Honda緑陽会熊本レーシング)も参戦。これまでにないハイレベルな戦いが予想された。
最高峰のIAクラスは、過去3度のチャンピオン、鈴木健二(TEAM WR with YAMAHA)、そして昨年も鈴木と最後までタイトルを争った釘村忠(NRT with MIYAKI)、鈴木のチームメイト、生粋のエンデューロライダー内山裕太郎(TEAM WR with YAMAHA)ほか、トップランカーに、IBからの昇格組の筆頭は、18歳の小菅泰輝(MCオープンエリア)がエントリー、こちらも熾烈な戦いを予感させる。
特設会場となったテージャスランチは、その名の通り、広大なオープンフィールドの観光牧場だが、西日本で盛んに開催され人気を集める難易度の高いコースで行われる「ハードエンデューロ」の聖地でもある。1周約10kmのコースは、林間のトレイルと、3.7kmに設定されたタイムアタック区間のスペシャルテストに別れているが、移動区間のトレイルは「広島らしい」難易度の高い設定。レースウィークの金曜日の夜半に降雨があったことを受け、主催者は、滑りやすく難しくなったヒルクライムセクションをカットするなど、慎重にコースをレイアウトした。しかし前日の土曜日からテージャスランチは快晴、好天は日曜日も続き、ダストも少なく、林間のトレイルはしかし充分に走破性が試される絶好のコンディションでの競技となった。
IA、IBクラスは全体で7周。1周目のテストは下見のためノータイムなので、合計6本のテストでの勝負になった。1周の規定タイムは、45分からスタート、ラップ毎に規定タイムが短くなり、最終ラップは30分となる設定。遅れると1分につき60秒の加点となるため、難しいトレイルをミスなくハイペースで走るスキルが求められる。また、トレイルでいかに体力を消耗せず、スペシャルテストにつなげるかが勝負ところになると、多くのライダーが口を揃えた。
トップグループは、序盤から鈴木健二と釘村忠の接戦となり、そこにIBクラスの上位3名、小林雅裕、前橋孝洋、そして地元のヒーロー熊本悠太(YAMAHA)が、3位以下のIAライダーを尻目に素晴しいタイムを連発した。しかし鈴木と釘村の戦いは、鈴木のマシンがエンジン不調となり、あっさり決着。「おそらく燃料系統のマイナートラブル」ということで、3周を走って鈴木がDNF。序盤タイムの伸びなかった太田真成は後半になって好タイムを出し、IAクラス2位でフィニッシュ、3位には鈴木のチームメイト、内山裕太郎、4位に渡會修也と続いた。
IBクラスの小林雅裕は結局、総合でも釘村に続くタイムで仕上げ、余裕のクラス優勝。IBの2位は、こちらもキレのあるライデングを見せた前橋孝洋、そして熊本悠太が3位のポディウムに立った。テージャスランチとしては、比較的ハイスピードなコース設定の今回、難易度の高いコースを得意にする熊本は「今日はゆっくりいきますよ」と控えめだっだ熊本だが、ハイスピードなクロステストでも充分な力量を見せた。3名のエントリーがあったウイメンズクラスは、近藤香織(YAMAHA)が優勝という結果。JECシリーズは、第2戦7月の近畿大会、第3戦9月の北海道日高ツーデイズ大会、第4戦11月のSUGOツーデイズ大会と続く。